第38章

レストランの中で、水原当主は元気そうな水原遥の様子を見て胸をなでおろし、ようやく手にしていたギフトバッグを彼女に差し出した。

「これは海外に行った時に買ってきたプレゼントだよ」

水原遥は少し驚いたような表情を浮かべた。「おじさん、そんなに気を遣わなくても…」

海外旅行の際にまで彼女のことを考えてプレゼントを買ってくるなんて。

「遥ちゃん、この間つらい思いをさせてしまって…君は水原家で長い間過ごしてきたけど、実は私は何の力にもなれなかった。叔母さんと妹のことは…」

ここまで言って、水原当主は言葉に詰まってしまった。

「おじさん、これはおじさんのせいじゃありません。長い間、おじさんの...

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